そもそも治験バイト/モニターとはどんなものでしょうか?この記事では治験(臨床試験)についての基礎知識と、治験バイト/モニター/ボランティアについて説明します。
治験とは?
新しい薬ができるまでに薬の安全性、有効性を確認するために、人に対して行われる臨床試験のことです。
新しい薬ができるまでの工程と期間は?
日本では新しい薬ができるまで候補物質にはじまり、さまざまな研究や試験を経て、約10年以上もの長い開発期間と200~300億円もの費用がかかるといわれています。
基礎研究
将来くすりとなる可能性のある新しい物質(成分)の発見や、化学的に創り出すための研究を行い、候補物質のスクリーニング(絞り込み)を行います。
非臨床試験
薬物の有効性や安全性を確認するため、毒性や薬物の動態、薬効等の生物学的試験研究を、動物を用いて行います。
臨床試験(治験)
薬物の人での有効性と安全性について試験を行います。この試験を「治験」といい、通常下記の3つフェーズで進められます。
承認申請・製造販売
医薬品医療機器総合機構にて、承認審査が実施され新薬の有効性や安全性が確認されると、製造・販売が許可されます。
製造販売後調査
治験では得ることのできない日常診療下での医薬品の有効性や安全性を確認するため、適正使用についての調査や試験が行われます。
(引用:日本SMO協会HP)
新しい薬ができるまでの確率は?
治験で使われる薬は、候補物質が基礎試験や非臨床試験を通して徹底的な絞り込みが行われます。治験に使われる候補化合物が選ばれる確率は0.03%(3000分の1程度)といわれています。さらに治験を通して最終的に新しい薬になるのは、そこから8%(100分の1程度)といわれています。
(引用:製薬協HP)
治験はさらに3つの段階がある?
臨床試験(治験)は、さらに3段階に分けられています。病気や何も体に不調が無い、健康な方は、基本的にフェーズ1での治験となります。
フェーズ1(第1相試験)
対象は健康な成人です。
安全性を中心に、お薬が体にどのように吸収され排泄されていくかを確認します。
フェーズ2(第2相試験)
対象は患者さんで、少人数です。
いくつかの使用法(投与量・投与間隔・投与期間)を試し、効き目と副作用の両方を調べた上で、最適と思われる使い方を決めていきます。
フェーズ3(第3相試験)
対象は患者さんで、大人数です。
実際の治療に近い形で、効果と安全性を確認します。既存の薬に比べて効果が上回るか、安全性が高いなど何かしらの優れた特徴がなければなりません。
治験はどこでもやっている?
治験(臨床試験)は、人の安全性に関わるものです。普通の病院や、医師が勝手に治験を行うことはできません。
治験を行う医療機関は厳しく制限されており、GCP(臨床試験の実施に関する基準)を満たす認定された機関のみとなっています。
【GCPの主な内容】
- 被験者の人権保護、安全性確保
- 治験の質の確保
- データの信頼性の確保
- 責任・役割分担の明確化
- 記録の保存
(引用:日本SMO協会HP)
治験はいつも新しい薬だけじゃないって本当?
治験の対象は「新しい薬」だけが対象ではありません。より安全性の高い治験があります。
治験の種類としては、全部で3種類あります。
1.新しい薬の治験
これまで説明してきた内容です。
2.海外の薬の日本における治験
アメリカやヨーロッパなどで認可された薬を日本で使用できるようにするための治験です。海外で安全性や有効性を確認済であり、より安全な治験と言えるでしょう。
3.ジェネリック医薬品の治験
新しい薬の特許が切れると、同じ成分で別の会社がお薬を作ることできるようになります。これがジェネリック医薬品です。こちらも新しい薬認可の時に安全性、有効性を確認されているため、より安全な治験と言えるでしょう。
小話を一つ。
ちなみに新しい薬の特許は「20年間」ですが、特許申請を出してから20年です。つまりそもそも薬を作るのに10年かかった場合、販売を独占できる期間は実質10年間となります。
まとめ
治験(臨床試験)とは、新しい薬の認可を得るために、安全性、有効性を確認するために、人に対して行う臨床試験のことです。
日本の治験(臨床試験)は厳正な試験や制度の元運営されています。
治験バイト/モニターは、新しい薬の認可前であり、安全性(副作用の有無)を確認するためであるため、短時間の割には非常に報酬が高いことが特徴です。
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それではよい一日をお過ごしください。
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